SSブログ

久々のblog更新(病魔ラスボスとの決戦) [生活]

ついに、私の体を蝕む病魔の名前を知る時が来ました。敵の真の名前さえ知れば、最新の魔法(西洋医学)で彼の弱点を突いて、あっという間に敵はその体を引き裂かれ二度と私の目の前に姿を表わすことはないはず・・・RPGの主人公のような気分で私は病院へ向かったのです

初めての内視鏡検査は辛かったです。苦い薬(麻酔薬)を口にためてしばらく待つのですが、途中でむせてしまい再チャレンジすることになり、いきなり出鼻をくじかれてしまいました。その後、麻酔薬スプレーを喉に吹きかけられ、胃の動きを抑える筋肉注射をうたれました。穴の空いたマウスピースをはめて、極細マーカーを少し太くしたぐらいの胃カメラが入ってきた時は、けっこう大丈夫かも・・・なんて思っていたのですが、喉をこえるあたりで、カメラにパクパク開く気道の弁が見えた時、人間の構造の神秘と同時に器官が塞がれるという恐怖感が襲って来ました。

「カメラを飲み込む気持ちで唾を飲んで」といわれ、「なるほどーそうして気道を閉じさせて奥に突っ込むのか~」と感心しながら唾を飲み込んだのですが、そこからグイグイと入ってくる胃カメラと、息ができない感覚にパニックになってしまい、喉の異物感から嗚咽が止まらなくなり、涙が目からこぼれだし、思わず手がカメラの胴部分を掴もうとしていました。慌てて看護師さんが背中をさすって「落ち着いて鼻で息をして下さい」と言われ、鼻から息を吸い込んだらちゃんと息ができたので、そこからは急に楽になり、嗚咽も収まりカメラを見る余裕が出てきました。

まさに前途多難なラスボス戦です。敵もそう簡単に我々の侵入を許してくれませんでした。しかし落ちつて対処すれば怖いものなんてないのです。少し落ち着きを取り戻した私は、カメラの中に潜む「胃潰瘍」というラスボスを想定してカメラ内の映像を凝視しました。

その時、また新たなパニックを私を襲いました。お腹が急に膨れて張り詰めたのです。私は胃の中で胃カメラが変な方向に曲がって胃を押し広げる事故が起こったと思いました。しかしすぐに「今から胃の中に空気を入れて胃をふくらましますからね~」という先生の声が私の耳に入ったのです。またしても先生のタイミングの悪さに私は足元をすくわれてしまいました・・・「なんで空気を送ってから言うんだよ」と恨めしい気持ちでイッパイでした。でも、胃カメラって空気を送り出す機能もあるんだと逆に感心してしまいました。

もうパニックになるものかと気持ちを引き締め、私はカメラの映像を食い入るように見つめましたが、私の胃の中は鮮やかなピンク色で白くただれた潰瘍の後はありませんでした。とても綺麗な胃だと先生も褒めてくれました・・・複雑な気分でした・・・

そして更に胃の奥に進み、U字に曲がった胃を胃カメラは自らをその形に添って変形させて、ついに胃の出口の穴に到達しました。その時先生が「ここは少し軽い炎症が見受けられますね」と言ってきたので、よくよく見てみると、確かに胃の出口周辺に波のようなスジが薄っすらと沢山ありました。しかし軽い炎症ということは、私の胃の傷みとは関係がないように思われました。

そしてついに胃の出口の先に胃カメラは入っていきます。そして十二指腸に入った直後に先生が「あ、十二指腸潰瘍がありますね~」と言って来ました。「十二指腸潰瘍」と聞いた時、私は目の前が暗くなりました。なんか十二指腸潰瘍は入院が必要な病気というイメージがあったせいです。しかし矢継ぎ早に先生は「良性の潰瘍みたいなので薬で治りますよ~」と気楽な感じで説明してくれました。

その後、小腸までカメラは入っていきましたが、まったく健康的な小腸ということで、私の激しい胃の痛みは「十二指腸潰瘍」というラスボスによって苦しめられていたことがわかりました。

ついに平安の時が訪れました。あとは「十二指腸潰瘍」というラスボスに合わせた魔法薬を調合して闘いを挑めば平和が訪れるのです・・・

 

ついに戦いは終わった・・・のでしょうか?ラスボスの後には、真のラスボスが控えているというのがRPGの定石だったりするものです。 私は、この時まだ戦いが終わっていないことにまったく気付いていませんでした。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。